味噌汁とご飯の湯気のむこうに
梶谷米穀店の梶谷登さんとは30年近い付き合いで、このほど食に関するブログを書いてくれないかと依頼され、自分へのチャレンジのつもりで引き受けました。
梶谷さんの投稿もありますから、おもしろくなればいいですね。
2か月くらい前のことですが、給食後の掃除の時間に、廊下を掃いていた3年生の男子生徒が、たまたまそばにいた私に、味噌汁は好きですかと聞きました。
私は子供のころ味噌汁が好きではなく、あれは大人や年寄りが好む物だと思っていました。ところが最近は味噌汁がとてもおいしくなり、やっぱり老人になると味覚が変わるなあと思っていたところです。この中学生から見れば私は老人ですから、若いころの私と同じ気持ちで、その確認のための質問だろうと思いました。それで、「爺さんだから、味噌汁は大好きだよ」と答えました。
すると彼は目を輝かせてこう言いました。「僕も大好き! おいしい味噌汁があればご飯3杯食べられるよ」。
「おお!そうか!」。私はとてもうれしくなりました。味噌汁を好きな若い人もいることのほかに、この中学生の家庭の温かさが伝わってきたからです。彼が大人になって昔を思い出す時、きっと味噌汁とご飯の湯気のむこうに、家族の笑顔があることでしょう。
(川原藤楽空)
“味噌汁とご飯の湯気のむこうに” に対して4件のコメントがあります。
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みそ汁の湯気のあるおいしそうな食卓が目に浮かびました!
どんな生徒なのか、すごくイメージがわきます。
川本様こんにちは。
ありがとうございます。
架空の物語ではなく、実際にあった出来事だからでしょうね。
川原藤楽空さんも、喜ばれることでしょう。
ありがとうございます。
作者も、きっと喜ばれていることでしょう。
ありがとうございます。