農業が滅べば国は滅ぶ

人類の歴史を振り返ると、人間の暮らしが豊かになり、文明が高度に発達したところは、みんな農業が栄えた所です。
古代に栄えた4大文明の生まれたところ、メソポタミアのチグリス、ユーフラテス川流域、アフリカのナイル川流域、インドのインダス川流行、中国の黄河流域は川が運んできた豊かな土の上に、農業が栄えたところです。しかしこれらの都市は今だらけの山や荒れ地や砂漠になっています。
同じ頃、ギリシャ豊かな土地の上に、古代文明を花咲かせた輝かしい国でした。しかしギリシア人は、もともと肉食を好み、牧畜に力を入れたため、穀物が不足してきました。
この時ギリシア人は農業に力を入れるのではなく、食料を植民地や外国から、輸入するようになりました。そのため自分の国の農業はさびら、豊かだった土も痩せてしまいだんだん砂漠化して、ついに国そのものが滅びてしまいました。
農業を滅ぼす国は滅びるということが人類の歴史の中で大事な教えとして世界の人々に記憶されています。

水田の働き

水田は、お米の生産以外に自然環境のために大切なさまざまな役割を果たしています。 優れた機能を発揮する水田のはたらきや効果について、学んでみましょう。

水田は水をきれいにします。

かんがい用水から水田に流れてきた水は、水田に貯えられますが、一部は地下の地下水帯 へしみ出していきます。この間に水の中の枯葉や虫の死骸などのゴミは表面で、飲み水に 不向きな成分は土の中で除かれて、水はきれいになります。特に有害な窒素分は、分解されて 空気中に放出されます。 つまり、水田は天然ろ過フィルターとしてゴミや窒素を取り除いて、私達の飲み水となるきれいな 地下水をつくるはたらきがあるのです。

地下水の量を一定に保ちます。

地下水は、水を含ませたスポンジのような状態で存在します。地盤沈下は、このスボンジの 水が汲み上げられなくなり、スポンジがつぶれてしまう現象で、地下水は私達が生活する地表を 支えていく上でとても大切な存在です。水田はこの地下水を安定させ、一定に保つことにもひと 役買っています。水を貯めることが出来る水田は、地下水や川の水の量を一定に保ちながら、 水を地下へ浸透させているのです。

ダム効果

やまの多い日本の土地は、斜面が多く、川の流れが急で、非常に洪水や土砂崩れが起こりやすい 地形です。土地の表面の土が薄く、としても流失しやすいので、水を貯め、ゆっくり放出させていく ことのできる水田は、治水ダムに似たはたらきをして、洪水を防ぎ、斜面にある水田は土砂崩れの発生 を緩和します。 全国の水田を合計したその貯水量は、44億トン。治水ダムの建設費約1兆9000億円と同じ効果 を発揮しています。

水田の生き物

水田は、私達が食糧とする米をつくるために、土地を開墾して人工的につくられたものです。 人間が自然に手を加えると自然のバランスは崩れ、壊してしまうことが多いのですが、水田は、 人工的なものにかかわらず、自然の中へとけ込み、自然と共生している珍しいケースです。 そこには四季折々の風景があり、様々な生物が生活の場として過ごす、水田ならではの豊かな 自然環境があります。

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