食育
食育
日本で「食育」という言葉か初めて登場したのは明治時代の後半で、 古い歴史がありますが、その重要性は認識されていませんでした。 「食を通じて子供の心と身体を健康に育てる」食育。食をめぐる環境が 目まぐるしく変化している現代にこそ、食育の意義を改めて見直したい ものです。知育、徳育、体育の前にまず食育が大切です。
食は大事なコミュニケ―ションの場。だれかと一緒に食事をし、 心を通わせる、その積み重ねが人の心を豊かにし、成長の糧ともなるのです。 子どもが食の場で、大人とのかかわりの中で得る精神的なよりどころは、 その成長過程で出会うさまざまな困難を乗り切るときの、大きな力ともなるでしょう。 楽しい食事の経験が心の根っこを育てます。
食事の第一の目的はやはり、健康を維持し、生活するための栄養をとる こと同時にそこは、食事のマナ―や、地元の食材・受け継がれてきた それぞれの家庭の味、日本の食文化を知る場でもあります。こうして つくられた一人一人の食の歴史は、その人の食生活の将来にわたって 影響する重要なもの。特に幼い頃の食事は、一生を左右する食生活の基本 が培われます。
今やほとんどの加工食品に化学食品添加物が含まれている時代。 無防備でいると知らないうちに取らされていることになっています。 この過剰な添加物が、子供の心と身体に悪影響を及ぼし、乱暴な行動や すぐキレる子や学習障害を引き起こすと言われてます。身の回りの食べ物から、 必要なものは取り入れ、いらないものは避ける知恵をまなびましょう。
楽しく食べている家庭の子どもは、きちんと育って行きます。 食卓で父親、母親が不平・不満ばかり言っていると、子どもの中に怒り、 悲しみ、さみしさといった思いがつづられてしまう。みんなで楽しく食べて いれば、いい人間関係が出来ます。「どんなにつらいことがあっても、 自分の居場所さえあれば、子どもたちは乗り超えていく。それを育むのが 家庭の食卓なんです」
火を使い、みんなで食卓を囲むのは人類だけ。火を使わない料理や 孤食は人間の家畜化につながります。食とは、身体にいいものを、おいしく、 楽しく食べること。こんなにも家庭内の食が堕落し、個々人の無自覚が続くと、 日本の将来を担う子どもたちの心身はどう育つのか非常に心配です。
食べ物は、身体の栄養となるだけではなく心の栄養があってこそ、 家庭の食事といえるのではないでしょうか。
子どもと一緒に考えよう
・家庭の団欒を持ち、今日の出来事を話し合ったりして、 楽しい食事を心がけましょう。
・一緒に買物に行き、季節や旬を感じよう。
・地元の食材・料理を学ぼう。
・食べ残しを考え、残ったもので肥料を作ってみよう。
・プランタ―で家庭菜園を行い、育てる体験をやってみて、命を感じよう。
豊かな食
私たちの食生活は、昭和30年代を境に大きく変わりました。 肉・牛乳・パンなど洋風化が進み、インスタントラーメンといった 手軽な食品も次々に誕生。お金さえ出せば、なんでも食べられる 「豊かな食」の一方で、糖尿病などの生活習慣病は急増し、 最近は若年層にも広がっています。
外食や惣菜・弁当で済ませるような食生活を続けると、 栄養面からみると、脂質やタンパク質、糖質に偏り、野菜不足で、 ミネナルやビタミン、書物繊維の不足が著しくなってきます。 最も危惧されるのが、骨がスカスカになって折れやすくなる骨粗しょう症。 30代半ばからは、大量にカルシュウムをとっても吸収されにくくなります。 だからと言って「○○が不足しているから○○をとる」というような胆略的 な情報に惑わされず、またサプリメント(栄養補助食品)に頼るよりも、 出来るだけ命ある食べ物をとるように心がけた方のが良いのではないで しょうか。
何を食べようが個人の自由です。だが、健康を損なう恐れがあります。 食生活が要因となって、病気になれば、国全体で30兆円を超える医療費 を押し上げている一因になるのではないでしょうか。
食べることは、生きることの原点である
食べることは、愛情の原点である
食べることは、家庭の原点である
食べることはにまつわる体験が、精神的な成長の原点になる。