すみませんをありがとうございますに
【すみませんをありがとうございますに】
用務員になって初めて知ったのですが、教職員は60歳で定年退職になるんですってね。ということは、63歳の私は学校内で誰よりも年長ということになります。
だからでしょうか、最初のうち、私に頼みごとをする先生は、言葉にとても気を使っているようでした。
草刈りや簡単な修理、蛍光灯の取替え、会場設営の補助や保護者の車の誘導などは私の仕事ですから、きげんよく引き受けます。でもその際、「すみません」を何度も言う先生がずいぶんいます。
先ほども、教室のドアの修理を私に依頼した際に「すみません」、完了を報告した時にも「すみませんでした」と言う先生がいたので、私は笑いながら次のように話しました。
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私は高齢者ですから、ちょっとだけ偉そうに言いますが、「すみません」の多くは、「ありがとうございます」に言い換えられます。
すみませんは謝罪の言葉、マイナスの言葉です。
ありがとうは感謝の言葉、プラスの言葉です。
人は謝罪されると、やめようとします。そして感謝されると、もっとやろうと思います。
また、すみませんを多用すると、口の筋肉がそれを覚え、ありがとうが言えなくなります。
さらに、すみませんのときは顔が曇りますから免疫力が下がり、ありがとうのときは笑顔になりますから、免疫力が上がります。
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そして最後にこう付け加えます。
「実はこの話、友達が教えてくれたんです。私も最近まで、すみませんばかり言っていたんですよ」
ところで今日の給食は、いんげんのごま炒め、もずく汁、そして鶏のから揚げが2個、めざしも1つありました。
鶏のから揚げは私も家で、酒の肴としてよく食べます。不確かな情報ですが、鳥は飛ぶために身体を軽くする必要があり、そのため肉に無駄がないそうです。だからチキンは太らない? ほんとかなあ。
(川原藤楽空)