柏崎市ひまわり歯科医院院長 鈴木公子先生
その4
私は昭和34年に刈羽村で生まれた。田舎育ちの長女で、すくすくと育ったが、父が悪い父で、13歳の時に母が家を出て父子家庭になってしまった。そのためにイジメも受けたが、それをかわいそうがったおばあちゃんが、たくさんのお菓子を買って、甘いものをふんだんに食べさせてくれた。そのおかげで、次々と病気になってしまう。最初は、甘いものを食べても、しっかり歯を磨いて虫歯にならなければいいと思っていた。

小学校6年生のころにはすでに病院通いをしていた。心臓が悪かった。走るのも苦しいし、風呂に入るのも苦しいと診てもらったら体の成長がおかしいと、それから次々と病気が見つかる。高校時代にはあと1週間で死ぬかもしれないというひどい肺炎にもなった。

病気の中でも1番辛かったのが子宮の裏側に腫瘍ができて、20歳の時に見つかった時には悪性になる可能性があると言われた時。出血がひどく血はどんどん薄まり、あちこちでバタバタと倒れてしまう。さらにアトピーもひどかった。

20歳の時に、腫瘍が悪性になって肺にでも転移したら命取りになるから、子宮を取らなければいけないと言われた。なんとか取らなくてもいい方法はないかと尋ねたところ、強い薬を試して様子を見ようということでホルモン剤を飲むようになった。しかし、副作用がひどくて、むくんで、吐き気がして、食欲がなくなるという状況。

私が飲んでいたのは非常に強いホルモン剤。2年以上服用すると100%発癌するというのを3年以上飲んでいた。そこに、今にも死ぬようなお年寄りが飲むような心臓の薬も飲んでいて、ほかにもたくさんの薬を飲んでいた。このままでは薬の副作用で死んでしまうと、全部やめて、もう1度検査をすることになったが、結局はこの薬ではダメということで、当時、厚生労働省が認めていない新薬を実験台として飲むことになる。しかし、ちっともよくならない。卒業も決まって国家試験も受かったが、体調が悪いので就職はできず、決まっていたのは入院先と手術の日。

その後、3カ月で退院し、なんとか働きたいと思った時に、大学の教授にお願いして探してもらったのが関歯科医院。最初はすぐに断られた。新潟県は日本で1番、人口に対して歯科医院の多い県。人を雇える歯科医院というのはなかなかない。それでも、給料もいらない、何もしなくていい、ただ見せてくださいと通ったら、そこまで言うならとお世話になることになった。これが転機。

関先生は、1人に対する治療時間がとにかく長い。待合室ですごく待たせているのに誰も文句を言わない。「効率が悪い院長だな」と思っていたが、院長に言われたのは「病気は、必ず病気になる原因がある。その原因を患者さんから聞き出して取り除かなければ、どんなにいい治療をしても再発して戻ってきてしまう。病気の根本にある原因を取り除くのが根本治療。仕事が何なのか、家族にどんなストレスがあるのか、今までどんな病気をしてきたのか。それを聞き出して初めて治療をして、もう病気にならないように指導することが我々の役目」と。

病気の1番大きい原因は、甘いものを食べることでも、ブラッシングでも何でもない。その人の食生活が1番だとその時に気付く。私も食事療法で病気を治すというある先生に、子宮のことはもう治らないと思って言わなかったが、アトピーは治したいと尋ねたところ、砂糖、牛乳、卵の3つを3カ月ピタリとやめることができるかと言われた。

単純に3つの食品だけかと思って家に帰ると、この3つが入らない食品を探すのが大変。卵も牛乳もとなると加工食品はほとんどダメ。気がついたら、ごはんとみそ汁と焼いた魚に漬物、煮物という野菜料理。それでもアトピー治したいと3カ月頑張ったらツルツルになった。皮膚科に通って薬も飲み続けても治らなかったものが、3つの食品を3カ月やめただけで治った。

食事にはすごい力があると勉強して、たどりついたのが東洋医学。子宮の病気も原因は砂糖から来るものだった。そこから、勉強して食事療法を続けるうちに病気も治り始め、こんなにすごい力があるなら患者さんにも伝えたいといけない、それでは足りないと講演するようになる。

では、これで健康になったかというと、小さい時からの食生活というのはものすごく体に影響を与えている。その後、31歳の時に失明する。3カ月まったく両目が見えなくなる。角膜が3回ずつ剥離している。もう1回、剥離すると治らないと言われたが治った。そして、33歳の時に子どもができた。絶対にできないと言われていたのにできた。子どもは私以上のアトピーだが、これも食事で治った。これでいいかと思ったら12年前に糖尿病になり、8年前に心臓がさらに悪くなった。こうなったら、私のような思いをさせないように、1人でも多くの人に食事の力を伝えようと講演している。

健康食品や健康療法などが山のようにある。しかし、これを学ぼうとすると1カ月あっても足りないほど、やらなければいけないこと、食べなければいけないものがたくさんある。私は、これ以上のものはない、これさえ守れば大丈夫という10項目をお伝えする。今の世の中は、健康は医者が守るものではない。今の病気は運が悪くてなるものはほとんどない。ほとんどの場合、自分で病気にならないようにすることができる。

歯医者になって28年以上。多くの患者さんの歯を見てきたので、だいたい口の中を開けると、その人の体、生活レベルが見えてくる。なぜかと言うと、ほかの臓器は自然治癒力があるが、歯についてはいったん虫歯になったり、抜けてしまったら元には戻らない。すべてのカルテが口の中に凝縮されている。

食事についての10項目。その1番目が「ご飯をしっかり食べる」こと。昭和30年ころまでは、国民1人あたり120キロの米を食べている。しかし、今は60キロ。日本人は世界で最も長寿な国だが、今は、世界で最も寿命が落ちてきていると言われるほど、日本人の健康状態が悪くなってきている。その1番の原因がご飯を食べなくなってしまったことと言われている。

では、ご飯の代わりに何を食べているのかというとパン。6割から7割の家庭で朝食がパンという。ご飯とパンが同じと思ったら大間違い。パンはお菓子、砂糖をたくさん入れなければふんわりとはしない。ご飯の中に砂糖を入れる人はいない。それを、ご飯とパンは同じでんぷん質だと言ってパンを食べている。

パンの原材料を見たことがあるだろうか。原材料は多く含まれるものから書かなくてはいけない決まりになっていて、食パンは小麦粉の次に砂糖が多く含まれている。砂糖を多く使わなければ、イースト菌が働かず、ふわふわにはならない。ご飯とパンはまったく違うということを理解してほしい。

ご飯とパンをエネルギーで比べると大きく変わらないが、1番大きいのは脂肪が半分で済む。炊きたてのご飯はそのまま塩むすびにしてもおいしく食べられるが、焼き立てのパンに塩をかけただけで食べられるものではない。水分含有量が少ないのでのど通りが悪い。そこでマーガリンなどの油をぬるしかない。おかずはおひたしにめざしではなく、ハムエッグにサラダ。マヨネーズ、ドレッシングすべて脂肪になる。ご飯を主食にするだけで、非常に栄養バランスの良い、メタボリックを避けることのできるメニューになる。

ご飯食とパン食の血糖値の推移を見ても、その違いは明らかで、5年ほど前に「隣の子どもはどうやって東大に行ったのか」という本がベストセラーになった。その第1番目が「食の力」、朝食にご飯を食べた人の勝ち。パンはあっという間に消化吸収され、あっという間に血糖値が下がる。血糖値が下がるとお腹がすくだけではなく、脳に酸素がいかなくなる。パンはおよそ2時間後には血糖値が下がる。2時間後には、集中力も思考力も落ちてしまう。ところが、ご飯はゆっくりと消化吸収されるので、血糖値の下がり方もゆっくり。4時間か5時間同じ血糖値を続けることができ、子どもたちは勉強に身が入り、入試で言えば、朝パンを食べて出た子どもは9時ころには終わってしまっている。

10項目の2番目は「飲み物はノンカロリーのものを」。健康のために某スポーツドリンクを飲む人がいる。これを作った時のコンセプトは「飲む点滴」。速やかに水分やミネラルなどを吸収するため、体にいいものをと作られた。しかし、最初は甘くなかった。そのため売れなかった。どんどん果糖、蔗糖、ブドウ糖を加えていった結果、500ミリリットルの中に30グラムの砂糖が入っている。ペットシュガーにして15本。体に良い飲み物ではなく体を壊す飲み物になってしまっている。プロスポーツ選手もそのまま飲んだら逆にのどが渇くと言っているし、厚生労働省も6年ほど前に熱中症予防のためにスポーツドリンクを原液のまま飲むと症状が悪化するので、最低でも2倍以上に薄めるよう警告している。

そして、某乳酸菌飲料。体にいいからと子どもに与えるお母さんがいるが、これも砂糖がたっぷり入っている。80ミリリットルの1本の中に19グラム砂糖が入っている。ペットシュガー10本。もう砂糖でしかない。

子どものためにおいしいジュースを飲ませてあげると、子どもの体をどんどん壊してしまうことになる。砂糖を多く取ると、私たちの体は体内に蓄積させないために排出しようとする。余分な砂糖を排出するにはカルシウムと結びつけなければならない。そのカルシウムはというと骨から取られる。成長期の子どもに砂糖が入っているものをたくさんやると、骨がすかすかになってしまう。

缶コーヒーも1本に20グラムくらいの砂糖が入っている。微糖でも結構な砂糖が入っている。缶コーヒーをお茶代わりに飲んでいると、自分の体をどんどん悪くしてしまう。主食をご飯にし、飲み物を砂糖の入っていないノンカロリーのものにするだけで、かなり日本人の健康は守られる。

果汁100%のジュースならどうかという人がいるが、これも形が違うだけで多くの砂糖が入っている。野菜ジュースも同じ。決して飲む野菜ではない。飲んでいいのはお茶と水。糖分は脳のために必要だという人もいるが、私たちの体はどんな物を食べてもブドウ糖に分解して、脳に送るようにできている。わざわざ砂糖で取る必要はない。

3番目は「食間を開ける」、4番目は今言ったように「砂糖の入ったものは極力控える」。

5番目は「味噌汁・漬物を毎日食べよう」。数年前までは、「発酵食品を毎日食べよう」としていたが、そういうと皆がヨーグルトを食べるのでやめました。ヨーグルトを食べても日本人は健康にならない。味噌や醤油、漬物、納豆。日本の食文化で最も素晴らしいのが発酵食品とダシをふんだんに使っていること。

6番目は「副食は季節のものを彩りよく、果物はほどほどに」。その土地でその季節に取れたものは、それなりに体にいいものだけ。だから、真冬にトマトやキュウリを食べる必要はない。なぜなら体温を下げるから。体温を下げて夏場をしのぐために夏野菜がある。逆に冬は根菜を食べて体を温める。果物も体にいいと思って食べ続けるのも体を壊しているだけ。取り過ぎはよくない。その土地で取れたものを少し食べるだけで十分。

7番目は「油、動物性食品の取り過ぎに注意」。つまりは脂は極力とらないようにしようということ。血液がどれほど汚れるかということ。ある大学の教授がいい表現をした。「そこの家の人の血管の中の汚れは、そこの家の台所のレンジフードの油汚れに比例する」と。レンジフードのギトギトの油汚れが血管にこびりついていると思ってくれればいい。洗い物をする時に洗剤のいらないような食生活をしていると、血液はサラサラになる。

8番目は「調味料は上質なものを」。調味料は食事の要。手抜きをせずに良いものを選んでください。

9番目は「危険な味3つを極力さける」。これは非常に重要なポイント。それは「白砂糖」、「油脂」、「化学調味料」。この3つの味は、麻薬と同じで非常に中毒性が強い。食べたら食べただけ、どんどん食べたくなる。この3つを食べ続ければどんどんメタボリックになって体を壊す。逆にこの3つを避ければかなり食事のランクはアップする。

白砂糖、つまり精製している蔗糖。これが地球上に現れたのはヒポクラテスのころの医療現場。つまり薬だった。この白い粉は非常に気持ちよくなれる。どういう時に使ったかというと精神安定剤。疲れた時に甘いものを食べるとホッとするというのはその作用。それが非常に早い。2、3分で血糖値は上がり、脳に酸素が行くのでものすごく幸せになる。

そして油脂。この「脂」の「旨(うま)い」というつくり。これは本能、動物は常に飢餓から自分を守らなければいけない。そのためにはカロリーの高いものを食べた時にうまいと感じなければいけない。脂は1グラムで9キロカロリーある。だから、脂を食べた時にうまいと感じる。その典型が天ぷら。天ぷらは脂のないものを脂でコーティングするからうまい。あるテレビの実験で、ティッシュペーパーをカラッと揚げてキレイに盛り付けてタレントさんに食べさせたところ、皆がおいしいと食べる。油脂をかけると何でもおいしく感じる。これが「ごまかす」という言葉の語源にもなっている。つまり、ごま油をかければどんな食べ物でもおいしくなると。油脂はどんな場合でもうまい。だからこそ、それを自分から遠ざける必要がある。

化学調味料は、日本人が誇るだしの文化を化学的に調合して最高傑作としたもの。これを入れると何でもおいしくなる。ラーメンがしょっぱくて脂っこくても、最後まで食べきれるのは化学調味料がたくさん入っているから。ついついそれにだまされてたくさん食べてしまう。

この3つを食事から避けることができると最高に健康になれるが、逆に、この3つを合わせると最高においしいものができる。それがスナック菓子やハンバーガーショップのセットメニュー。

最後の10番目が「歯ごたえのあるものをよくかんで」。最終的にはここにたどりつく。よくかむことで、唾液がたくさん分泌され、虫歯や歯周病、口臭の予防につながる。唾液というのは血液が98%。血液の中から唾液線を通ってろ過して色の無い状態で出てくる。だから、たくさんの酵素が入っている。傷を治す、バイ菌を殺す、消化酵素、吸収酵素、それを全部混ぜ合わせたのが唾液。

O157の問題も、実は胃液で全部死んでしまう。しかし、この前のユッケは柔らかすぎてそのまま飲み込んでしまう。唾液に混ぜて胃に行けば表面に全部胃液がかかるのでO157は一網打尽にできる。しかし、柔らかくてかまずに飲んでしまうと、表面の部分はいいが、中まで胃液がかからず、そのまま腸にいき、感染してしまう。食べるものには危険があるが、唾液と混ぜることで、その危険を回避することができる。30秒間、人の唾液にひたすことで、すべての発がん性物質は無害化されることも分かっている。いかにかむことが大事か。私たちは栄養を食べるのではない。かんで、唾液と混ぜることで初めて私たちの血となり肉となり、体にいいものとして取り入れられる。

たくさんの人を見てきた中で、結論としては、いかによくかめるか。総入れ歯でもいい。歯医者さんで直してきちんとかめる状態にしておく。かめる人は健康。歯がボロボロの人で健康の人はいない。健康のためには、とにかく歯を大事にしてよくかむこと。それが何よりも素晴らしい、しかもお金のかからない健康法。

http://www.palge.com/news/h24/2/20120211kouen.htm
より引用させていただいてます。